宇宙や実験室のプラズマを対象に理論解析や計算機シミュレーションを用いた研究を行っています


P研での研究について

地球周辺から遥か遠方の宇宙まで、宇宙空間は完全な真空ではなく種々の星間物質で満たされています。そのほとんどは電離したガス、すなわちプラズマ状態にあります。また、プラズマは、将来のエネルギー源を目指した核融合実験や、半導体プロセスなどにも利用されています。私たちは、物理的な視点から、プラズマ中に生じる不安定性、乱流、衝撃波、爆発現象、構造形成、などの解明に取り組んでいます。(画像: www.nasa.gov)

プラズマについて

“プラズマ”とは奇妙な響きの言葉で、プラズマを使った家電製品が身近になるまでは、耳にする機会も少ない単語でした。それにも関わらず、私たちの身の回りから宇宙空間まで、光(電磁波)を発するガスの多くはプラズマ状態にあるといえるでしょう。熱や光、さらに粒子衝突などにより気体原子は励起され、光を発しますが、一部の軌道電子は原子の外までたたき出され、電子とイオンとに分かれたプラズマ状態となります。プラズマは全体として電気的に中性ですが、分極電荷・分極電流を生じ、電磁場との相互作用を介して、多様で複雑な集団的な運動を起こします。

シミュレーションについて

プラズマの理論研究には、解析的なアプローチとともに、計算機を使ったシミュレーションが欠かせません。これは、乱流や衝撃波など多くのプラズマ現象が強い非線形性を内包しているためです。P研のメンバーは、名古屋大学や核融合科学研究所、理化学研究所などに設置されたスーパーコンピュータを利用して、シミュレーション研究を進めています。(画像: www.nifs.ac.jp)